紀伊半島を襲った豪雨はあちこちに大変な被害をもたらし、日を追うごとにその惨状が明らかになってきている。被災された皆様には心からお見舞いを申し上げたい。
とはいうものの実はお見舞いなどと悠長なことを書いている場合ではないのである。カーブミラーや道路標識の首の部分まで水面が来ている写真で一躍全国にその名を知られることになった三重県紀宝町には、妻の両親と祖母が住んでいるからである。
あの辺りは台風がよく上陸する土地で、大雨が降ると近くの川からはあっけなく水が溢れ出し、標高の低い地域は比較的頻繁に冠水する。冠水どころか床上まで浸水することもよくあるようで、台風が過ぎた後に家財を屋外に持ち出して乾かしている光景を白林檎も見たことがある。だが妻の親戚の家があるところまで水が来るのはかなり稀で、さらに水に浸かったとなるとここ90年間では一度あったかなかったかくらいのことだったようだ。
とりあえず人間は皆無事ということで安心しているが、何しろ泥水が屋内を蹂躙した訳だから大変なことになっているだろう。手助けに行こうにも道路も電車も寸断されているのでどうにもならない。最低限のインフラが一日も早く復旧してくれればと思う。