従姉の結婚式の関係で、東京に帰省中の白林檎である。今日は訳あって、午前中から筋子をさばいた。筋子をさばいて醤油漬けにすればすなわちイクラとなるのであるが、何というか、イクラの販売価格が海産物一般の中でも比較的高価である理由がわかった気がした。「ほぐして漬けるだけ」と聞いていたもので、一時間もかからずに終わるだろうと思っていたが、甘かった。ようやく合わせ醤油とともにイクラを冷蔵庫に放り込み、時計を見ると、何とたっぷり三時間以上が経過していた。
手際が悪いのを差し引いても、ずいぶん時間のかかる作業である。一体、流通している品は、どうやって加工しているのだろうか。ずらりと並んだ作業台に数百人のパートのおばちゃんが張り付き、黙々と働いているのだろうか。延々と赤い粒をほぐしながら、遠く北海道の水産加工事情に思いを巡らせたりなどしていた。もちろん、そんなことはないだろう。何かすごい装置があって、そこにこう、ベルトコンベヤーで筋子が吸い込まれていくと、反対側からは見事にばらばらとなったイクラが出現するのに違いない。
さて、ちょっとこれから所用で出かけなければならないのである。つまり、ご祝儀用の新札を調達してこなければならないのだ。遅くとも一時までには出られるつもりだったので、実は少々あわてているのである。まあ、りそなだから少しばかり遅くても大丈夫だとは思うが。