讀売新聞によると、作曲家の服部正氏が8月2日にご逝去された。氏は、ぼくが高校の三年間と大学の半分だけ所属したクラブの大先輩で、大先輩すぎて直接お目にかかったことはないけれど、ぼくより何年か上の世代までは、演奏会でタクトを振っていただいたこともあるそうだ。かくいうぼくも、遠目にならば一度だけ拝見したことがある──と思うのだが、残念ながらはっきりとは記憶に残っていない。
世間的には『ラジオ体操第一』や映画音楽などの作曲家として知られている服部氏は、部内、つまりぼくたち後輩の間では「ハッちゃん」で通っていた。今でも部室に行けば氏の編曲した数多のスコアが残っていることだろう。それから、うちの部の演奏会で必ず最後に演奏される曲の作曲者でもある。前述の通り面識がないから、ぼくは氏に対する敬愛の情は持ち得なかったが、その譜面を眺め、実際に演奏するとき、いつも素直に「流石だ」と唸らされたものだった。
慎んで氏のご冥福をお祈りする。