いつの頃からだったか詳しくは覚えていないが、ある世代以降のMacBookにはクラムシェルモードという機能がある。蓋を閉じてスリープにした状態で外部ディスプレイや外部キーボードをつなぐと、あたかもデスクトップマシンの本体のように使えるというものである。クラムシェルモードのおかげで、普段は自室でデスクトップのように使い、気分を変えたい時にはいつもの環境をそのまま──モニタの広さやキータッチは変わるからそのままとはいかないが、そういったハードウェア環境以外はそのまま持ち出すことができ、大変便利なのである。
ここまで書けばおわかりだろうが、もちろん白林檎はこのようにして使っている。しかも出不精なので、我がMacBookの稼働時間の大半は電源コード繋ぎっぱなしのクラムシェルモードである。しかしながら、かような使い方は製造元としてはあまり奨められたものではないらしい。ノートパソコンのバッテリは充電と放電を繰り返すことを前提として設計されており、常に電源コードを接続して使っていると過充電が起きてしまうのだという。要するに、バッテリの劣化がより早まるのだそうだ。
これを避けるには大まかにいって二つの方法がある。ひとつは、電源コードを付けたり外したりして、電池残量を気にしながら使う方法。もうひとつはバッテリを装着せず、電源コードを繋げたまま使う方法である。有体に言ってどちらもメンドウ極まりない。
なので特に気にせずに使っていたところ、ある日ふと見てみればバッテリがパンパンに膨れあがっている。久しぶりにノートパソコン風に蓋を開いてみれば、トラックパッドのボタンなど押せたものではない。すぐ裏にバッテリがあるから、圧迫されて押し込めなくなっているのである。
過去、同じような状態になったMacBookをアップルストアのジーニアスバーに持ち込んだところ、無償でバッテリを交換してくれた事例があるようだ。このウワサは結構有名なようで、Googleでちょっと検索すると真偽を確かめようと身を張って検証したブログ記事がわんさか出てくる。だが、残念ながら、そういった試みの多くは失敗に終わっているようだ。ざっと眺めただけだが、正規品を購入するよりは安いが有償交換になるケースがほとんどであった。
アップルの正規品はすこぶる高い。なんと16,000円もする。同じように動作する互換品がその半額で売っているにも関わらずである。しかもその互換品というのが信頼の中国製であるので、選択肢は限られているに等しい。
だが、実は第三の選択肢が存在する。それは純正バッテリのバルク品を購入することである。これなら正規品の半額、信頼の中国製互換品とそれほど変わらぬ価格で入手できる。おそらく前述のジーニアスバーで交換してもらえる「正規品よりは安いが有償の」バッテリと同じものなのだろうが、これはもちろんアップルストアでは販売されていない。しかしバッテリ専門店なら取り扱っているところがあるので、そういうところを探せばよい。例えば白林檎が買ったところは楽天にも出店しているところだから、かなり簡単に見付けられるはずである。
それにしてもバッテリがダメになったのがぼくのMacBookだったから良いが、相方のMacBook Proが同様の状態になったらちょっと大変だ。ある時期から、アップルのノートはバッテリを自分で交換できない設計になってしまったからであり、相方のMacBook Proはその世代だからである。こうなるとそれこそジーニアスバーで有償交換してもらうか、新製品に乗り換えるかということになる。これでは数年ごとにマシンを買い換えていくという風潮にますます歯止めがかからなくなりそうで、機械好きな身としては非常に残念でならない。まあ相方は何の躊躇もなく買い換えるだろうけど。
ともあれ、思ったより安くバッテリを交換できて良かった良かった。消耗品が高いのはプリンタのインクだけで沢山である。